鉄分が多い食べ物は?100gあたり30.0mgのあさり水煮缶やレバー、小松菜を成分表の数字で比べ、吸収を助ける食べ合わせを見よう

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「鉄分が多い食べ物って何だろう」「ほうれん草を食べておけばいいの?」。貧血が気になったときや、健康診断で数値を指摘されたときに、まず知りたいのがこの疑問ではないでしょうか。

この記事では、鉄が多い食品を100gあたりと1回分で比べ、吸収をよくする食べ合わせや、サプリメントを使うときに気をつけたい点を順に紹介します。体調が気になる場合は、医療機関で相談してくださいね。

目次

鉄分はどれくらい必要?

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食べ物を選ぶ前に、1日にどれくらいの鉄が必要なのか、そして鉄には2つの種類があることを押さえておきましょう。必要な量は、性別や年齢、月経の有無で変わります。

1日の推奨量と、ヘム鉄と非ヘム鉄

厚生労働省のe-ヘルスネットによると、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人1人1日当たりの鉄の推奨量を、男性で6.5mgから7.5mg、月経のない女性で5.5mgから6.0mg、月経のある女性で10.0mgから10.5mgの間に、年齢階級別に設定しています。

検査機関の食環境衛生研究所のコラムでは、年齢別の数字が表にまとめられていました。たとえば30〜49歳では、男性7.5mg、月経のある女性10.5mg、月経のない女性6.0mgです。月経のある女性は、同じ年代の男性より3mgほど多く必要になる計算ですね。

国民生活センターの報告書(2024年12月)に載っている2025年版の表では、妊娠中と授乳中に推奨量へ上乗せする「付加量」も決められています。妊娠初期は+2.5mg、中期・後期は+8.5mg、授乳中は+2.0mgで、いずれも月経のない女性の欄に書かれた数字です。30〜49歳の女性が妊娠中期に入ると、6.0mgに8.5mgを足した1日14.5mgが推奨量になります。

同じ報告書によると、推奨量は、その集団のほとんどの人(97〜98%)が必要量を満たす量という意味です。令和5年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の鉄の摂取量の平均は男性8.0mg、女性7.2mgでした。月経のある女性の推奨量10.0〜10.5mgより、3mgほど少ない数字です。

国民生活センターの報告書でも、食事摂取基準の報告書をもとに、鉄不足はとくに急激な成長をともなう乳児や幼児、月経血損失のある女性、鉄要求量の増加する妊婦・授乳婦で多くみられると説明されていました。自分がどのグループに当てはまるかを知っておくと、目安を考えやすくなります。

e-ヘルスネットでは、成人の体内には約3〜4gの鉄があり、そのうち約70%は赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの構成要素として存在すると説明されています。残りの30%は肝臓や骨髄などに貯蔵鉄として存在するそうです。全身の鉄は体の外に排出されることはなく、効率よく保存されて再利用される、とも書かれていました。月経や成長で失われたぶんは腸からの吸収で補われ、その吸収量は、鉄の損失や必要性、食品中の鉄がヘム鉄か非ヘム鉄かによっても変わるそうです。

食べ物に含まれる鉄には、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と、野菜などに含まれる「非ヘム鉄」があります。e-ヘルスネットでは、ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよく、ヘム鉄を利用することで非ヘム鉄の吸収もよくなると書かれていました。

国立がん研究センター東病院の資料「貧血がある方のお食事」では、動物性食品のヘム鉄の吸収率は15〜20%、植物性食品の非ヘム鉄は2〜5%とされ、動物性食品は「3〜10倍」の吸収率だと示されています。国立がん研究センターの別の資料でも、同じ吸収率の数字が載っていました。

つまり、同じ量の鉄を含む食品でも、体に取り込まれやすさには差があるということです。食品の鉄の量を比べるときは、ヘム鉄か非ヘム鉄かもあわせて見ておくと、食べ合わせを考えやすくなります。

動物性食品で鉄が多いもの

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ここからは、日本食品標準成分表の数字をもとに、鉄が多い食品を見ていきます。まずは吸収のよいヘム鉄を含む、肉や魚介類から。100gあたりの量と、実際に食べる1回分の量を分けて確認しましょう。

あさりの水煮缶やレバーが上位、1回分の量も見る

熊本市の資料「鉄(Fe)を多く含む食品」は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)で算出した数字をまとめたものです。100gあたりの鉄の量は、あさり(水煮缶)30.0mg、豚レバー13.0mg、鶏レバー9.0mg、牛レバー4.0mgでした。

食品成分表の数字を使ったRelife Dietのランキング(八訂増補2023年の値、乾物などを除く)でも、1位はあさり缶(水煮)の30.0mg、2位が豚レバー(生)の13.0mg、3位が鶏レバー(生)の9.0mgです。4位にはしじみ(生)の8.3mgが入っていました。

食環境衛生研究所のコラムによると、あさりは生だと2.2mg/100gで、缶詰・水煮では30.0mg/100gと大きく異なるそうです。「あさり」とひとくくりにせず、生か缶詰かで数字が違う点は覚えておきたいですね。

100gあたりの数字は、実際に食べる量とは違います。熊本市の資料では1回使用量でも計算されていて、豚レバー50gで6.5mg、あさり水煮缶50gで15.0mg、牛もも肉80gで2.2mg、カツオ80gで1.5mgでした。

煮干しは100gあたり18.0mgと多いものの、1回使用量の10gでは1.8mgになります。乾物や調味料に近い食品は、100gあたりの数字が大きくても、一度に食べる量が少ないことが多いわけです。

食環境衛生研究所のコラムでは、レバーは鉄分が多い一方でビタミンAも多く含む食品だと注意されていました。特に妊娠中はビタミンAの過剰摂取に注意が必要なので、レバーだけに偏らず、赤身肉や魚介類も組み合わせるようすすめています。

文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(2026年3月27日に正誤表を反映したExcel版)でも、しじみは生が100gあたり8.3mg、水煮では15.0mgと載っています。あさりと同じように、調理や加工の状態で数字が大きく変わる食品のひとつです。

赤身の肉や魚も毎日の選択肢になる

レバーほどではありませんが、赤身の肉や魚にも鉄が含まれます。熊本市の資料では、100gあたり馬肉4.3mg、牛肉(もも)2.8mg、いわし(うるめ)2.3mg、きはだまぐろ2.0mg、カツオ1.9mgでした。

食環境衛生研究所のコラムでも、牛もも赤肉は2.7mg/100gで、80gなら約2.2mgになり、日常の主菜として取り入れやすいと紹介されていました。毎日レバーを食べるのは難しくても、赤身の肉や魚なら献立に入れやすいかもしれません。

Relife Dietのランキングでは、ツナ缶(まぐろ・味付けフレーク)が4.0mg、いわし缶(水煮)が2.6mgと、缶詰も上位50位に入っていました。常備しやすい缶詰は、忙しい日の一品にも使いやすいですね。

同じ成分表で100gあたりの鉄を見ると、牛のヒレ赤肉(生)は輸入牛肉2.8mg、和牛肉2.5mg、乳用肥育牛肉2.4mgでした。ほかにも、にほんじかの赤肉(生)3.9mg、くじらの赤肉(生)2.5mg、ラムのもも(脂身つき・生)2.0mg、あいがも(皮つき・生)1.9mgと、赤身のお肉はおおむね2mg前後かそれ以上です。乳用肥育牛肉のヒレ赤肉は焼くと3.5mgと載っていて、これは焼いて水分が抜け、重さが減ったぶん数字が上がったものと考えられます。

一方で、豚もも赤肉(生)は0.9mg、若どりのもも(皮つき・生)は0.6mgと少なめでした。鶏肉でも、すなぎも(生)は2.5mgと赤身の牛肉に近い数字なので、焼き鳥やおつまみで選ぶ部位を少し変えてみるのもよさそうです。

魚介では、まいわし(生)2.1mg、そうだがつお(生)2.6mg、ごまさば(生)1.6mg、まさば(生)1.2mg、ぶり(成魚・生)1.3mg、くろまぐろ(天然・赤身・生)1.1mgでした。貝類はほたてがい(生)2.2mg、養殖のかき(生)2.1mgで、するめいか(生)は0.1mgと、同じ魚介でも種類による差がかなり大きいことがわかります。

植物性食品で鉄が多いもの

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野菜や豆、海藻に含まれるのは非ヘム鉄です。吸収率はヘム鉄より低いものの、毎日の食事に取り入れやすい食品がたくさんあります。ほうれん草のイメージが強いかもしれませんが、数字で見ると意外な発見もあります。

野菜なら小松菜、ほうれん草はゆでると減る

食環境衛生研究所のコラムでは、100gあたりの鉄の量が、小松菜(生)2.8mg、小松菜(ゆで)2.1mg、ほうれん草(生)2.0mg、ほうれん草(ゆで)0.9mgと紹介されていました。ゆでた状態で比べると、小松菜のほうが多いことになります。

同じコラムでは、ゆでただいこん葉も2.2mg/100gとされ、「鉄分の多い野菜=ほうれん草」と考えるより、小松菜やだいこん葉も含めて選ぶと選択肢が広がると書かれていました。Relife Dietのランキングでも、小松菜(生)2.8mg、大根の葉(生)3.1mg、パセリ(生)7.5mgが入っています。

なお、同じコラムでは、ゆでて数値が下がったからといって、その割合だけ鉄そのものが失われたとは限らないとも注意されていました。水分を含んで重さが変わる影響もあるため、数字の読み方には少し注意が必要です。

文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」で、ほかの青菜や豆類の野菜も確かめてみました。100gあたりの鉄は、和種なばな(生)2.9mg、えだまめ(生)2.7mg、サラダな(生)2.4mg、からしな(生)2.2mg、みずな(生)2.1mg、しゅんぎく(生)1.7mg、チンゲンサイ(生)1.1mgです。

ゆでた値も載っていて、和種なばなは1.7mg、しゅんぎくは1.2mg、チンゲンサイは0.7mgに下がります。いっぽう、みずなはゆでても2.0mg、えだまめはゆでても冷凍でも2.5mgと、あまり変わりませんでした。ブロッコリー(花序)も生1.3mgに対し、電子レンジ調理1.4mg、焼き2.3mgと、ゆでる以外の調理では数字が下がっていません。冷凍のえだまめは常備しやすいので、もう一品ほしいときに助かりますね。

小松菜とほうれん草のほかにも、なばなは春、しゅんぎくは鍋の季節というように、旬の青菜を順番に取り入れていくと、飽きずに続けやすいと思います。

大豆製品と乾物

大豆製品も鉄を含みます。熊本市の資料では、100gあたり納豆3.3mg、がんもどき3.6mg、大豆(蒸)2.8mg、木綿豆腐1.5mgでした。1回使用量でみると、納豆40gで1.3mg、木綿豆腐100gで1.5mg、大豆(蒸)50gで1.4mgになります。

国立がん研究センターの資料(七訂の数字)では、1回使用量あたりで、がんもどき1個80gが2.9mg、納豆1個50gが1.7mg、切干大根(乾10g)が1.0mg、プルーン(乾燥10粒100g)が1.0mgと紹介されていました。版によって数字が少し違うことがあるので、比べるときは同じ版の成分表で見るのが確実です。

乾物は100gあたりの数字が大きくなります。食環境衛生研究所のコラムでは、あおのり(素干し)77.0mg、岩のり(素干し)48.0mg、きくらげ(乾燥)35.0mgが上位でした。ただし、熊本市の資料でひじき(干し)は100gあたり6.2mgですが、1回使用量の5gでは0.3mgです。

乾燥わかめも素干しでは5.8mg/100gですが、水戻し・水煮では0.2mg/100gだそうです。乾物は「100gあたり」の数字だけで判断せず、実際にどれくらい食べるかで考えるのが現実的ですね。

ひじきについては、「鉄の多い食品の代表」というイメージそのものにも注意が必要です。文部科学省の成分表に関するQ&Aによると、ひじきの鉄分は製品ごとのばらつきが大きく、製造工程に由来するという文献もあったため、製法の違うひじきを分析したところ、ステンレス釜の製品と鉄釜の製品に有意な差が出ました。そこで2015年版(七訂)から食品を分けて載せることにした、という説明です。八訂増補2023年の数字では、ほしひじき(乾)はステンレス釜6.2mg、鉄釜58.0mgと、約9倍の開きがあります。ゆでると、ステンレス釜0.3mg、鉄釜2.7mgでした。

同じQ&Aでは、鉄釜で作られたひじきは今も国内にあること、成分表の数字は製法がはっきりした国産品で分析したことも答えていました。また、成分表の「鉄釜」は原藻を長時間煮る製造用の釜のことで、家庭の鉄鍋で調理した場合については調べていない、とも書かれています。鉄鍋で料理すれば鉄が増える、とまでは成分表からは言えないということですね。

成分表(八訂)増補2023年では、ほかの大豆製品の数字もわかります。100gあたり、凍り豆腐(乾)7.5mg、油揚げ(生)3.2mg、生揚げ2.6mg、豆乳1.2mgでした。豆腐の中でも、沖縄豆腐1.7mg、焼き豆腐1.6mg、絹ごし豆腐1.2mg、ソフト豆腐0.7mgと、種類によって少しずつ違います。きな粉(黄大豆・全粒大豆)は8.0mgですが、一度に使う量は大さじ数杯ほどなので、乾物と同じように考えるとよさそうです。凍り豆腐も水で戻して煮た「水煮」では1.7mgになります。豆類では、レンズまめが乾燥で9.0mg、ゆでて4.3mg、ひよこまめは乾燥で2.6mg、ゆでて1.2mgでした。

吸収をよくする食べ方

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鉄は、何と一緒に食べるか、いつ飲み物を飲むかでも吸収のされ方が変わるとされています。ここでは、公的な資料に書かれている食べ合わせのポイントと、飲み物の注意点を確認しましょう。

ビタミンCやたんぱく質と一緒にとる

e-ヘルスネットでは、動物性たんぱく質やビタミンCを一緒に摂ると、鉄が吸収しやすくなると説明されています。国立がん研究センター東病院の資料でも、貧血時の食事のポイントとして「ビタミンCを鉄分と一緒に摂りましょう」と挙げられていました。

同じ資料では、ビタミンCを補給できる食品として、かぶ、かぼちゃ、キャベツ、小松菜、大根などの野菜、オレンジやみかん、柿、苺などの果物、さつまいもやじゃがいもが紹介されています。資料には、十分なエネルギーとたんぱく質の補給を心がけることも書かれていました。

食環境衛生研究所のコラムでは、組み合わせの例として、かつお80gとゆで小松菜80gで約3.2mg、牛もも赤肉80gとゆで小松菜80gで約3.9mgという計算が紹介されていました。肉や魚と青菜を一皿にまとめると、ヘム鉄と非ヘム鉄を一緒に摂れますね。

埼玉医科大学病院の予防医学センターの資料でも、鉄分の多い食品とビタミンCは一緒にとるようすすめていて、ビタミンCの多い食品としてアセロラ、オレンジ、レモン、ブロッコリー、キウイ、パプリカが挙げられていました。食品からとる鉄の約85%以上は非ヘム鉄だそうなので、食べ合わせを意識する意味は大きいですね。

文部科学省の成分表(八訂)増補2023年で、ビタミンCの量(100gあたり)も確かめてみました。アセロラ(酸味種・生)は1700mg、甘味種でも800mgと飛び抜けています。身近なものでは、赤ピーマン(生)170mg、ブロッコリー(生)140mg、キウイフルーツの黄肉種140mg、緑肉種71mg、甘がき(生)70mgでした。和種なばな(生)も130mgで、鉄とビタミンCを一緒にとれる青菜です。

ブロッコリーはゆでると55mgに減りますが、電子レンジ調理では140mgのままと載っていました。ビタミンCは水に溶けやすいので、加熱するなら電子レンジや蒸し料理にすると残りやすいようです。

食事中の濃いお茶やコーヒーは控えめに

国立がん研究センター東病院の資料では、食事中や食事の前後は、濃い紅茶、緑茶、コーヒーなどの摂取を避けるようすすめていました。濃いお茶類には、鉄の吸収を阻害する「タンニン」という成分が多く含まれているためだそうです。

資料によると、控えるのは食事の前後30分と食事中で、それ以外の時に飲む場合は差し支えないとされています。お茶やコーヒーを完全にやめる必要はなく、飲むタイミングをずらせばよいということですね。同じ資料には「水分補給はこまめにしましょう」とも書かれていて、水や麦茶などで水分をとることまで控える必要はなさそうです。

埼玉医科大学病院の資料では、タンニンは鉄と結合して吸収を妨げるとして、食事中や食後すぐの飲み物は、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒーを避け、麦茶や薄めの緑茶を選ぶよう提案されていました。

Xでも、健康診断で貧血を指摘されて「コーヒーがいけないのかな」と気にする投稿が見られました(Xの投稿)。飲み物のタイミングは、すぐに変えやすいポイントのひとつだと思います。

タンニンの量は、文部科学省の成分表(八訂)増補2023年の備考欄で、浸出液100gあたりの数字として確かめられます。コーヒーは0.25g、玉露は0.23g、紅茶は0.10g、せん茶は0.07g、ほうじ茶は0.04g、ウーロン茶は0.03gでした。

ただし、いれ方の条件はそれぞれ違います。玉露は茶葉10gを60℃のお湯60mLで2.5分、せん茶は茶葉10gを90℃のお湯430mLで1分という条件で、玉露はかなり濃くいれた数字です。コーヒーは粉10gに熱湯150mLでした。同じ備考欄には、カフェインも玉露0.16g、コーヒー0.06g、せん茶0.02gと並んで載っています。同じ飲み物でも、濃くいれるほど量は増えると考えておくとよいですね。

麦茶の備考欄にはタンニンの記載がなく、食事どきの飲み物として麦茶がすすめられることとも合っているように思います。

気をつけたいこと

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鉄は不足しがちな栄養素ですが、多ければ多いほどよいわけではありません。サプリメントを使うときの注意と、体調が気になるときの考え方を確認しておきましょう。

サプリメントのとりすぎと貧血が気になるとき

e-ヘルスネットでは、通常の食事を行っていれば鉄を摂りすぎることはほとんどないとされています。一方で、国民生活センターは2024年12月、海外事業者が製造・販売する鉄サプリメントの長期使用により鉄過剰症などを発症したという事故情報が2件寄せられたと発表しました。

いずれの事例も、日本人の1日の推奨量以上の鉄を約1年以上の長期間摂取していたそうです。国民生活センターが海外事業者の鉄サプリメント5銘柄を調べたところ、全ての銘柄で、1日当たりの摂取目安量に含まれる鉄が推奨量を大きく超えていました。

国民生活センターは、成分量や注意表示をよく確認し、過剰摂取にならないように注意するよう呼びかけています。サプリメントを使う場合は、表示の鉄の量と推奨量を見比べてから選ぶと安心です。

同じ報告書では、商品の表示にも落とし穴があると指摘されていました。5銘柄のパッケージは英語表記で、米国の1日摂取量(Daily Value、DV)に対する割合が100%から361%と書かれていたそうです。DVは米国食品医薬品局(FDA)が1日2,000kcalを基準に定めた値で、鉄は18mg。これは日本人の食事摂取基準のどの性別・年齢の推奨量よりも多いので、「100%だからちょうどいい」と考えると、とりすぎにつながるおそれがあります。また、2銘柄は実際の含有量が表示より10mg以上多かったとのことです。

なお、2025年版の表では、鉄の耐容上限量は「―」で、数字が示されていません。上限がないから大丈夫、というわけではなく、報告書が引用する策定検討会報告書では、長期のサプリメントの利用や食事からの過剰な鉄摂取が臓器への鉄の蓄積を通じて健康障害を起こす可能性は否定できず、推奨量を大きく超える摂取は貧血の治療などを除いて控えるべき、とされています。とりすぎた場合には、便秘や胃腸障害、鉄の沈着、亜鉛の吸収の妨げなどが起こる可能性がある、とも書かれていました。

国民生活センターの発表に載っている事例では、1日54〜108mgの鉄を約3年間とり続けて続発性鉄過剰症と診断された方と、1日36mgを約11カ月とって鉄過剰状態と肝機能障害が疑われた方がいました。月経のある女性の推奨量が10mg前後であることを考えると、かなり多い量です。

国立がん研究センター東病院の資料では、貧血には、鉄などの栄養素が不足して起こるものだけでなく、骨髄の異常や赤血球の破壊、腎臓の働きによるものなど、いくつかの種類があると説明されています。埼玉医科大学病院の資料でも、再生不良性貧血や溶血性貧血は専門機関での受診が必要だと書かれていました。食事で補えるのは、栄養素不足からくる貧血の場合です。

同じ資料では、貧血は自覚症状がないことも多く、一般的な症状として顔色が悪い、まぶたの裏が白い、息切れしやすい、疲れやすい、立ちくらみなどが挙げられていました。

Xでも、鉄剤の副作用が心配で、食べ物や飲み物で鉄分を意識するだけではだめかと迷う投稿が見られました(Xの投稿)。数値を指摘された場合や体調が気になる場合は、自己判断で済ませず、医師や管理栄養士に相談するのがいちばんです。

まとめ

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鉄が多い食べ物は、100gあたりで見るとあさりの水煮缶(30.0mg)、豚レバー(13.0mg)、鶏レバー(9.0mg)などが上位です。野菜なら小松菜やだいこん葉、大豆製品なら納豆やがんもどきも候補になります。

肉や魚のヘム鉄は吸収がよく、野菜や豆の非ヘム鉄はビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収しやすくなるとされています。食事中の濃いお茶やコーヒーは控えめにして、サプリメントは表示の量を確認してから使いましょう。まずは今日の献立に、鉄を含む一品を足すところから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

食材の特徴や食べ方を公的資料も確認しながら、日々の料理に役立つ形で紹介する編集部です。

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