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えごまは、シソ科の植物の種で、「α-リノレン酸が多い」と紹介されることがよくあります。では、実際にどのくらい含まれていて、あまに(亜麻仁)やチアシード、ごまと比べるとどう違うのでしょうか。
この記事では、文部科学省の「食品成分データベース」に収録されている「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の数値だけを使って、えごまの栄養を、ほかの3つの種と比べてみます。数値はすべて可食部100gあたりです。10gあたりの数値は、この記事で100gの値を10で割って出した目安です。
※この記事は、成分表の数値を紹介するものです。体への効果や病気について述べるものではありません。食事のことで気になる点がある場合は、医師や管理栄養士に相談してください。
えごまの栄養を成分表で見る
えごま(乾)の基本の数値
成分表の「種実類/えごま/乾」(食品番号05004)の主な数値は次の通りです。
| 成分 | 可食部100gあたり | 10gあたりの目安 |
|---|---|---|
| エネルギー | 523kcal | 約52kcal |
| たんぱく質 | 17.7g | 約1.8g |
| 脂質 | 43.4g | 約4.3g |
| 食物繊維総量 | 20.8g | 約2.1g |
| カルシウム | 390mg | 39mg |
| マグネシウム | 230mg | 23mg |
| 鉄 | 16.0mg | 1.6mg |
| 亜鉛 | 3.8mg | 約0.4mg |
えごまは、100gのうち43.4gが脂質です。重さの4割あまりが脂質なので、エネルギーも523kcalと高めです。食物繊維総量も20.8gあり、100gのうち約5分の1を占めています。
えごまの脂肪酸
成分表の「脂肪酸-可食部100g」の表を見ると、えごまの脂肪酸は次のようになっています。
| 脂肪酸 | 可食部100gあたり |
|---|---|
| n-3系多価不飽和脂肪酸 | 23.7g |
| うちα-リノレン酸 | 24000mg(24g) |
| n-6系多価不飽和脂肪酸 | 5.12g |
| うちリノール酸 | 5100mg(5.1g) |
成分表では、α-リノレン酸を「mg」、n-3系の合計を「g」で表しているため、数字の丸め方の違いで、α-リノレン酸のほうが合計より少し大きく見えます。どちらも、100gあたりおよそ24gと考えてよいでしょう。
また、「脂肪酸総量100gあたり」の表では、α-リノレン酸が61.1gとされています。えごまに含まれる脂肪酸の6割あまりがα-リノレン酸ということになります。
4つの種を成分表で比べる
えごまとよく比べられる、あまに、チアシード、ごまの数値も見てみましょう。成分表に収録されている状態がそれぞれ違う点(乾、いり)には気をつけてください。
1. えごま(乾)
脂質43.4g、n-3系多価不飽和脂肪酸23.7g、食物繊維総量20.8g。4つの中で、鉄が16.0mgといちばん多くなっています。
2. あまに(いり)
成分表の「種実類/あまに/いり」(食品番号05041)では、脂質43.3g、n-3系多価不飽和脂肪酸23.5g、食物繊維総量23.8gです。脂質とn-3系の量は、えごまとほとんど同じです。マグネシウムは410mgで、4つの中でいちばん多くなっています。
3. チアシード(乾)
成分表の「種実類/チアシード/乾」(食品番号05046)では、脂質33.9g、n-3系多価不飽和脂肪酸19.43g、食物繊維総量36.9gです。食物繊維は4つの中でいちばん多く、エネルギーは446kcalといちばん低くなっています。
4. ごま(乾)
成分表の「種実類/ごま/乾」(食品番号05017)では、脂質53.8g、n-3系多価不飽和脂肪酸0.15g、n-6系多価不飽和脂肪酸23.11gです。ごまは脂質がいちばん多い一方で、脂肪酸の中心はn-6系のリノール酸(23000mg)です。カルシウムは1200mgで、4つの中で飛び抜けて多くなっています。
比べた表
| 成分(100gあたり) | えごま(乾) | あまに(いり) | チアシード(乾) | ごま(乾) |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー | 523kcal | 540kcal | 446kcal | 604kcal |
| たんぱく質 | 17.7g | 21.8g | 19.4g | 19.8g |
| 脂質 | 43.4g | 43.3g | 33.9g | 53.8g |
| 食物繊維総量 | 20.8g | 23.8g | 36.9g | 10.8g |
| n-3系多価不飽和 | 23.7g | 23.5g | 19.43g | 0.15g |
| n-6系多価不飽和 | 5.12g | 5.63g | 6.08g | 23.11g |
| カルシウム | 390mg | 210mg | 570mg | 1200mg |
| マグネシウム | 230mg | 410mg | 360mg | 370mg |
| 鉄 | 16.0mg | 9.0mg | 7.6mg | 9.6mg |
数値から分かること
n-3系とn-6系のバランス
えごまのn-3系は23.7g、n-6系は5.12gなので、n-3系はn-6系のおよそ4.6倍です(23.7÷5.12で計算)。あまにでは23.5÷5.63でおよそ4.2倍、チアシードでは19.43÷6.08でおよそ3.2倍になります。
ごまは反対で、n-6系が23.11g、n-3系が0.15gなので、n-6系がn-3系のおよそ150倍です。同じ「種」でも、脂肪酸の中身はまったく違うことが分かります。
10gあたりで考える
ふだんの料理で100gを一度に食べることはあまりありません。10gあたりで考えると、えごまのn-3系は約2.4g、あまに(いり)は約2.4g、チアシードは約1.9g、ごまは約0.02gです。
| 10gあたりの目安 | えごま | あまに | チアシード | ごま |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー | 約52kcal | 54kcal | 約45kcal | 約60kcal |
| n-3系多価不飽和 | 約2.4g | 約2.4g | 約1.9g | 約0.02g |
| 食物繊維総量 | 約2.1g | 約2.4g | 約3.7g | 約1.1g |
エネルギーは、10gでも50〜60kcalほどあります。毎日たくさん加えると、そのぶんエネルギーも増えるので、量を決めて使うとよいでしょう。
ミネラルとビタミンも比べる
脂肪酸のほかにも、成分表には多くの成分が載っています。ミネラルとビタミンのうち、いくつかを並べてみます。
| 成分(100gあたり) | えごま(乾) | あまに(いり) | チアシード(乾) | ごま(乾) |
|---|---|---|---|---|
| 亜鉛 | 3.8mg | 6.1mg | 5.9mg | 5.5mg |
| ビタミンB1 | 0.54mg | 0.01mg | 0.97mg | 0.95mg |
| γ-トコフェロール | 24.0mg | 10.0mg | 14.0mg | 22.0mg |
γ-トコフェロールは、ビタミンEの仲間として成分表に載っている成分です。えごまは24.0mgで、今回の4つの中ではいちばん多く、ごまの22.0mgと近い値です。一方、亜鉛は3.8mgで、4つの中ではいちばん少なくなっています。
ビタミンB1は、あまに(いり)が0.01mgと少なく、チアシードとごまが1mg近くあります。どの種にも得意な成分とそうでない成分があるので、1つの数字だけで良し悪しを決めないほうがよいでしょう。
たんぱく質はどれも20g前後
たんぱく質は、えごまが17.7g、あまにが21.8g、チアシードが19.4g、ごまが19.8gです。4つとも100gあたり20g前後で、大きな差はありません。ただし、10gあたりにすると2g前後なので、種だけでたんぱく質をとるというより、ほかの食品に足す使い方が現実的です。
状態の違いに注意
成分表では、えごまとチアシードとごまは「乾」、あまには「いり」の数値です。水分は、えごま5.6g、チアシード6.5g、ごま4.7g、あまに(いり)0.8gと違っています。いったものは水分が少ないぶん、ほかの成分の数値が少し高く出やすい点も覚えておきましょう。
日本食品標準成分表とは
文部科学省がまとめた成分のデータ
日本食品標準成分表は、文部科学省の科学技術・学術審議会資源調査分科会がまとめている、日本で食べられている食品の成分のデータです。この記事で使った「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」は、文部科学省の食品成分データベースで、食品ごとに検索して見ることができます。
見るときのポイント
食品成分データベースでは、食品ごとに「一般成分表-無機質-ビタミン類」「脂肪酸-可食部100g」などの表を切り替えて見られます。数値は可食部100gあたりで、「Tr」は微量、「(0)」は推定値が0であることを表します。商品ごとの数値は、パッケージの栄養成分表示も確かめましょう。
えごまを料理に使うときの考え方
ここからは、成分表の数値をふまえた、この記事の提案です。
粒のまま、すって使う
えごまの粒は、ごまと同じように、ご飯やあえ物にかけて使えます。すりつぶすと香りが立ち、料理にもなじみやすくなります。ごまの代わりに一部をえごまにすると、脂肪酸の中身を変えられます。ごまとえごまを半分ずつにする、というように、両方を使うのも一つの方法です。
使う量を決めておく
えごまは100gあたり523kcalあります。小さじや大さじで量る場合は、袋の表示も確かめながら、1回に使う量をおおよそ決めておくと、つい入れすぎるのを防げます。
保存のしかた
保存方法や賞味期限は、商品ごとに袋に書かれています。開封後は袋の口をしっかり閉じ、表示に従って保存しましょう。すりつぶしたものは、使う分だけその都度すると、香りを楽しみやすくなります。
えごまの栄養のよくある質問
えごまとあまに、n-3系はどちらが多い?
成分表では、えごま(乾)が23.7g、あまに(いり)が23.5gで、ほぼ同じです。
えごまとごまは何が違う?
えごまはn-3系が23.7gと多く、ごまはn-6系が23.11gと多いのが大きな違いです。カルシウムはごまのほうが多く、1200mgです。
えごまのカロリーは?
成分表では、えごま(乾)は可食部100gあたり523kcalです。10gあたりで約52kcalになります。
えごまの食物繊維は多い?
成分表では、えごま(乾)の食物繊維総量は100gあたり20.8gです。今回比べた4つでは、チアシード(36.9g)、あまに(23.8g)に次ぐ量です。
えごまの栄養を成分表で確かめよう
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、えごま(乾)は100gあたり脂質43.4g、n-3系多価不飽和脂肪酸23.7gで、あまにとほぼ同じ量です。ごまとは脂肪酸の中身が大きく違うので、目的に合わせて使い分けてみてください。